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決めセリフ:その祈りを断つ!
死にセリフ:おやすみ。がんばってね…
リージョン【ひづめあと】
チーム:ST
キャラクター名:すみれの勇者
生い立ち:第一種物理法則及び魔法素複合型区域第198番『ディスワールド』に発生した最強最悪の魔物『ドラゴン』。 すみれの魔王はそれを自らの身に封じ、同時に地球移民に棄てられた廃棄済勇者である。だから怖かった。人に姿を見せるのが。人に心を晒すのが。だけど、一度くらいはわがままにやってみていいのだろう。 故に魔王フィアルカはきみの名を呼ばず、御霊流しを逆行し『勇者』として降臨する。全ての因果に仇為して、この世の果てへ至るために。来るがいい、誉れも高きAMの勇者たちよ。最後に立つのは、この魔王(ぼく)だ。 【このキャラクターのジョブは『勇者』に、攻撃エフェクトは『剣士』のいずれかの演出に偽装される】
JOB:魔法使い
技1 ヴァハ     (魔法) MP3 命中72 範囲3
技2 ヴァハ     (魔法) MP3 命中72 範囲3
技3 ヴァハ     (魔法) MP3 命中72 範囲3
技4 トゥアハ・デ・ダナン (魔法) MP7 命中64 範囲7 4ターン以上で発動可
技5 スポイル    (強化) MP2 自分を<魔転>化 (魔転:1回だけ被魔法・精神・自爆DmgをMPと半分魔力として吸収)
技6 ヴァハ     (魔法) MP3 命中72 範囲3
宝箱:霊木の杖 (魔術Dmg+5)
ID:834 <Phase 4> (登録:2021-12-26 / 更新:2022-01-26 18:55)
作成者:mahipipa2 《◆キャラクター確定済み 4 》※応援を受け付けない
すみれの勇者が残した紙切れ
第一種物理法則及び魔法素複合型区域第198番『ディスワールド』。
この名が意味するのは、外来より訪れた機械種と地球移民によって、原生種は次元の狭間に逃亡したか、淘汰された後の世界だ。

――ひづめあと。
ディスワールドに発生した最悪最強の魔物がつけたとされる、蹄と火爪の痕とされる谷。
その底の底にある、ドラゴンの亡骸でできた灰の構造物の側で、ぼくは永遠にも近い時を過ごしている。

ぼくの仕事はただひとつ。この身に封印したドラゴンを外に出さないことだ。
ぼくは谷底で、ひとりぼっちで生きてきた。
かろうじて、思念をわずかにひづめあとの外へ出すことはできるけれど、それでできるのは多少の気を紛らわす程度だ。
そんな中、ひづめあとに一人の人間が訪れた。

七花汕砂。彼は、禁術を用いたつみびとと、それに従って共に消えた妹を探しているのだという。

自らの意志でゆくあても決められない彼ではあったが、ぼくは彼を少し、羨ましいと思ったんだ。
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ぼくには妹がいる。ただ、ぼくらの種族に明確な関係性というものはない。
ぼくら桃色の髪の一族は、周囲の影響を強く感じ取りすぎて、お互いを見分けることもままならない場合があるから。

おそらく、妹はドラゴンや戦場と化した大地から避難すべく、もう遠くへ行ってしまっただろう。
そのことを汕砂に話すと、彼は少し考えた様子で黙ってしまった。
ぼくらは、妹に会えない兄同士だねと言うと、彼はやれやれといった様子で肩をすくめたんだ。

もう顔さえも思い出せないぼくの妹。それを思って、時折空を見上げていることを、勘付かれていたらしい。
汕砂は、何も言わずに谷底に横たわる灰色の構造物を眺めていた。
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ぼくは永遠にドラゴンを封じ、このひづめあとの底に立ち続ける。
それこそ、ドラゴンが本当に死を迎えるか、その寿命さえ引き継いだぼくが折れるかだ。

だけれども、時折『終わり』というのに興味を示し、浸ったりする。
御霊流しはいいシステムだ。
全力を出し切った後、一種、物語の終わりであるそこを揺蕩うのは案外心地が良い。
ささやかな祈り、声援の残響、そういうのを夢見た後、ぼくはひづめあとに戻る。

ほのかに耳の奥に残るそれらは、いつか忘れてしまうけれど。
それでも、ぼくを少しばかり前向きにしてくれる。
そして、今、ぼくは御霊流しの奥ではなく、できるだけ前でいろんなものを見てみたいんだ。

AMではなくSTに属したのは、案外そんな簡単な理由だ。
欲を出してしまっているのかもしれないね。
でも、誰しもが貪欲になる瞬間があると思うんだ。違うかな?
ぼくにとって、今年がそうだっただけだよ。
というのを、汕砂に喋ってみたら、彼はやっぱりやれやれと肩をすくめた。
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結構勢いよく啖呵を切ったつもりだけど、今年も負けてしまったらしい。
なかなか、うまくはいかないものだ。
大勢の眠る御霊流しの中をたゆたって、ぼくは星や朝日を眺めていた。

分かっている。このままが続くなら、いつか、ぼくは負けてしまうだろう。
ドラゴンは大空を飛んで、ありとあらゆるものを破壊し続けるだろう。
ぼくは、それを己の限界まで――ぼくが壊れてしまうまで否定する。

ぼくにだって、ここではない別の場所に仲間がいた。
ぼくはいつだって、ひとりぼっちではなかった。妹もいた。友人もいた。戦友もいた。
彼らが背を押してくれたから、ぼくは『勇者』で居続けることができた。

彼らを一人、また一人と失いながら、ぼくは進んだ。
ぼくはドラゴンの封印という結末に到達し、『魔王』とされ、忘れられた。
そして至った結末に対する矜持が、ぼくを今、こうさせているにすぎないんだ。

ぼくは、今後どうすべきなのだろう。
御霊流しはいいシステムだけど、答えは出してくれなさそうだ。
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ぼくは一度、試すことにした。
『宛てのない手紙』が、いくばくかの対価を得て、誰かに届くことを。
金貨に籠もった祈りや願い、欲望が、ぼくと誰かを繋げることを。
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手紙が届いた気配があった。ぼくは、耳を澄ませた。
かつて誰かの祈りで心を奮い立たせた時のように、ぼくはそれを心の内に反響させた。

ひとりぼっちの少女の祈りがそこにあった。
永い永い孤独をさまよって、何の因果か戦いに来た少女は、守る方法を誤ったという。

それを、じっと聞き入って、ぼくは星ひとつない真っ暗闇の空を仰いだ。
外の世界のどこかに、ぼくらはひとりぼっちで立っている。
でも、なぜだかそれが、救いのように感じられた。

汕砂も、彼女も、ぼくも。ひとりだ。
だからこそ、どこへだって行ける。どこにだって挑める。

そしてきっと、誰かに逢うことができるのではないか、と。

きみは、良い出会いと戦いをすることができただろうか?
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