チーム:AM
キャラクター名:えんちゃん子
生い立ち:弦や矢の「運命の赤い糸」は、恋する力が高まるほど、糸は堅く強く鋭くなる。
えんちゃん子は今日も空き地の平和を守っている。
JOB:弓矢使い
技1 頭の体操 (その他) 自分のMP+2
技2 頭の体操 (その他) 自分のMP+2
技3 ナージャ (その他) MP6 (遠隔) 3ターン後の最後に物理攻撃発動。命中67 範囲4~5
技4 アスラ (その他) MP11 (遠隔) 2ターン後の最後に物理攻撃発動。命中65 範囲7~8 4ターン以上で発動可
技5 インドラ (その他) MP4 (遠隔) 1ターン後の最後に物理攻撃発動。命中77 範囲2~3
技6 でこぴん (物理) 命中65
技2 頭の体操 (その他) 自分のMP+2
技3 ナージャ (その他) MP6 (遠隔) 3ターン後の最後に物理攻撃発動。命中67 範囲4~5
技4 アスラ (その他) MP11 (遠隔) 2ターン後の最後に物理攻撃発動。命中65 範囲7~8 4ターン以上で発動可
技5 インドラ (その他) MP4 (遠隔) 1ターン後の最後に物理攻撃発動。命中77 範囲2~3
技6 でこぴん (物理) 命中65
宝箱:旅人のマント (6ターン目速+5)
ID:978 <Phase 4> (登録:2023-12-25 / 更新:2024-02-08 19:51)
えんちゃん子が残した紙切れ
えんちゃん子
本当のお名前:糸原 依織(いとはら いおり)
ちょっと防御手段が過激な女子小学生。
実は魔法少女のなりそこないのような存在だが、マスコットとかはいない。
運命の赤い糸を具現化できるだけの能力で、恋する力が高まるほど糸は堅く強く鋭くなる。
お手製のボウガンで運命の赤い糸を撃ち出すことが攻撃手段。
四方がビルに囲まれた、子供しかたどり着けない秘密基地で、今日も空き地の平和を守っている。
◇あらすじ
わたしは知っています。
「オトナ」は敵。悪いオトナがやってきて、ここのすべてを奪うのです。
でも、ここでしか息ができない友達がいます。
「ここを守ります…。力をください…!」
遠く遠く、星空に祈ります。
掛けられたお呪いは、「運命の赤い糸」。指切りに似た、恋の魔法。
わたしはまだ知りません。
恋とはなにか。
「大丈夫。みんな、大好きだよ。」
それでも私は友達に強がって見せました。
◇
この空き地は、子供の王国なんです。
トタンの屋根につるされたラジオとランプ。いつでも寝れる毛布とハゲたソファ。
コンクリートブロックには、いままでいた先輩たちとわたしたちの思い思いの落書きがされています。
本棚には古い漫画本があったり、好きな雑誌を入れておいたり。へんな魔術?の本なんかも…だれが読んでるんだろう。
ときどき帰れない子のために、缶のお菓子やジュースを用意してくれる子もいます。
今日も家から出て、すぐに空き地に向かいます。
「えんちゃん!」
「みてみて、これ!」
「絵本ちゃんとつっきー、どうしたの」
仲良しの二人組が声をかけてきます。
えんちゃん、というのはここでのあだ名です。
家の呼び名を嫌う子もいるので、ここではお互い、新しいあだ名で呼ぶのが「まなー」というやつです。
「ボウガン?っていうんだって。」
「えんちゃん、魔法で糸を出せるでしょ?」
「学校の図鑑で調べたんだ!」
開いた図面には、新しい武器と書かれていました。
力のない子供でも、銃のような武器が作れる。石や爆竹だけじゃない、私だけの武器。
「うん、さっそく作ってみよう」
図工が得意な子や、絵が得意なつっきーと協力して、その武器を作ってみることにしました。
◇
今日も友達と約束をし、帰ってすぐに空き地に向かいます。
走ってきたからか、一番乗りのようです。
待って。
見慣れない影があります。足を止めます。わたしは「しんちょう」なので。
これは…箱?
謎の黒い箱にゆっくりと近づきます。
高さは膝くらいまで、長さは体育のマットくらいの大きさです。
まるで人が入れるくらいの……
「好きー!!!!」
「な、なにっ?」
人が、中から出てきました。しかも顔は兎です。
体がびくっとしました。でも、すぐにそれどころじゃないことに気が付きます。
お、オトナだ!
オトナに入られてしまった!この空き地にっ!
すぐさま、わたしはこの新しい武器を構えます。
「出てって!」
「あふん!」
へんな叫び声を上げてその人は再び倒れます。
赤い糸の矢は、頭だけの着ぐるみを確かに貫通していました。
も、もしかしてやりすぎたかも…!
驚くほどの威力に青ざめます。でも。
「ま、またやってしまったようですわ……!」
その人は、何事もなく起き上がります。
「な、なんだこの人…」
それは、きっと。運命の出会いでした。
つづく?
続き (1勝記念)
◇
頭だけの着ぐるみ、美しい黒いドレス。
箱から出てきたその人は、どう見てもおかしな人です。
「し、死んでない…?」
「無事、死んでましたわ」
どうやら死んでいたようです。
わたしも、完全に打ち抜いてしまった気がします。ごめんなさい。
「驚かせてしまって申し訳ございません。私、殿方に振られるとしばらく死んでしまう呪いでして…」
「でも、生き返るんだ。」
「えぇ、不死の能力も一緒に。」
なんだかとんでもないことを言っているような気がしますが。
わたしはなぜか、その言葉を平然をわかりました。
目の前で起こったことは、思ったよりすんなり受け入れられるようです。
でも、ここにオトナはいちゃいけません。
震えるヒザを必死にかくしながら、ボウガンをもう一度彼女に向けます。
「帰ってよ。お家は?帰る場所くらいあるでしょ?」
つめたく、言い放ちます。
兎の人は、「きょとん」といった様子で、首をかしげました。
「思い出せませんわ…!」
「え、えぇ…?」
「だれかあてになる人や学校とかは?」
「思い出せませんわ…」
「な、名前とかは…」
「それはずいぶん前になくしてしまいましたの。でも、黒兎姫と呼ばれています。」
「黒うさ…さん。」
「うーん、ここに来るまでに頭でもぶつけられたのでしょうか…」
「銃とかで撃たれたりしない限り、ここまで記憶は消えませんのに…!」
「えっ」
さ、さっき焦って撃ち抜いちゃったから…?
わたしが、この人を困らせちゃってる……?
短い人生で、わたしは初めて「立ちつくす」という言葉を解った気がしました。
◇
「えんちゃん…なんでここにオトナがいるの…?」
後ろからの声に、心臓が飛び出しそうなほど驚きます。
「つっきー…と、みんな…」
「こ、この人はなんかその……!」
しどろもどろに、でも、隠すように黒うささんの前に立ちます。
「そ、そう!行くあてがないんだって!」
なんで、わたしはここにいるんだろう。
「帰る場所がない子が、ここは自由に泊っていい!ここの「るーる」だよ!」
なんで、守るべきみんなから、まるで責められているんだろう。
「でも、オトナの人だし…」
絵本ちゃんがいたいところを突いてきます。
「お、オトナじゃないよ!」
わたしは、なにをいっているんでしょう。
でも、きっと罪ほろぼしになると、そうおもいました。
「起きたらここにいて!」
「帰り道もわかんなくなっちゃってて!」
「それに何!?この変な…着ぐるみの頭!」
「こんなダメなオトナ、いるはずないでしょ!」
「こ、こどもにボロクソいわれてますわ…」
…また傷つけてしまったかもしれませんが。
「と、ともかく!このひとは悪いひとじゃない…から!」
それから5分くらいして、なんとか説得することができました。
黒うささんが何かを思い出せるまで、わたしが監視するという名目で。
◇
数日後
「ここの生活も、だいぶ慣れてきましたわね。」
おもったよりも、黒うささんは早くなじみました。
子供たちにはちょうどいい遊び相手のようで、追いかけられたり、頭をまわされたり、古い手遊びを教えてくれたり、頭をまわされたり、本を読み聞かせたり、頭を前後反対にされたり…。
ちょっと遊ばれ過ぎでは…?
黒うささんは、もはや定位置となったハゲソファに、上品に座っています。
頭は前後反対ですが。
「それで、なにか思い出した?」
「遊んでいたら貴族であることを思い出しましたわ!」
「貴族…かぁ。このあたりだと見ないかも」
「きっとすごく遠いところ出身なのですわね。そんな気がしますわ」
まだ、監視生活は長くなりそうです。
「……それ、前は見えてるの?」
「見えてませんわ」
続く?
本当のお名前:糸原 依織(いとはら いおり)
ちょっと防御手段が過激な女子小学生。
実は魔法少女のなりそこないのような存在だが、マスコットとかはいない。
運命の赤い糸を具現化できるだけの能力で、恋する力が高まるほど糸は堅く強く鋭くなる。
お手製のボウガンで運命の赤い糸を撃ち出すことが攻撃手段。
四方がビルに囲まれた、子供しかたどり着けない秘密基地で、今日も空き地の平和を守っている。
◇あらすじ
わたしは知っています。
「オトナ」は敵。悪いオトナがやってきて、ここのすべてを奪うのです。
でも、ここでしか息ができない友達がいます。
「ここを守ります…。力をください…!」
遠く遠く、星空に祈ります。
掛けられたお呪いは、「運命の赤い糸」。指切りに似た、恋の魔法。
わたしはまだ知りません。
恋とはなにか。
「大丈夫。みんな、大好きだよ。」
それでも私は友達に強がって見せました。
◇
この空き地は、子供の王国なんです。
トタンの屋根につるされたラジオとランプ。いつでも寝れる毛布とハゲたソファ。
コンクリートブロックには、いままでいた先輩たちとわたしたちの思い思いの落書きがされています。
本棚には古い漫画本があったり、好きな雑誌を入れておいたり。へんな魔術?の本なんかも…だれが読んでるんだろう。
ときどき帰れない子のために、缶のお菓子やジュースを用意してくれる子もいます。
今日も家から出て、すぐに空き地に向かいます。
「えんちゃん!」
「みてみて、これ!」
「絵本ちゃんとつっきー、どうしたの」
仲良しの二人組が声をかけてきます。
えんちゃん、というのはここでのあだ名です。
家の呼び名を嫌う子もいるので、ここではお互い、新しいあだ名で呼ぶのが「まなー」というやつです。
「ボウガン?っていうんだって。」
「えんちゃん、魔法で糸を出せるでしょ?」
「学校の図鑑で調べたんだ!」
開いた図面には、新しい武器と書かれていました。
力のない子供でも、銃のような武器が作れる。石や爆竹だけじゃない、私だけの武器。
「うん、さっそく作ってみよう」
図工が得意な子や、絵が得意なつっきーと協力して、その武器を作ってみることにしました。
◇
今日も友達と約束をし、帰ってすぐに空き地に向かいます。
走ってきたからか、一番乗りのようです。
待って。
見慣れない影があります。足を止めます。わたしは「しんちょう」なので。
これは…箱?
謎の黒い箱にゆっくりと近づきます。
高さは膝くらいまで、長さは体育のマットくらいの大きさです。
まるで人が入れるくらいの……
「好きー!!!!」
「な、なにっ?」
人が、中から出てきました。しかも顔は兎です。
体がびくっとしました。でも、すぐにそれどころじゃないことに気が付きます。
お、オトナだ!
オトナに入られてしまった!この空き地にっ!
すぐさま、わたしはこの新しい武器を構えます。
「出てって!」
「あふん!」
へんな叫び声を上げてその人は再び倒れます。
赤い糸の矢は、頭だけの着ぐるみを確かに貫通していました。
も、もしかしてやりすぎたかも…!
驚くほどの威力に青ざめます。でも。
「ま、またやってしまったようですわ……!」
その人は、何事もなく起き上がります。
「な、なんだこの人…」
それは、きっと。運命の出会いでした。
つづく?
続き (1勝記念)
◇
頭だけの着ぐるみ、美しい黒いドレス。
箱から出てきたその人は、どう見てもおかしな人です。
「し、死んでない…?」
「無事、死んでましたわ」
どうやら死んでいたようです。
わたしも、完全に打ち抜いてしまった気がします。ごめんなさい。
「驚かせてしまって申し訳ございません。私、殿方に振られるとしばらく死んでしまう呪いでして…」
「でも、生き返るんだ。」
「えぇ、不死の能力も一緒に。」
なんだかとんでもないことを言っているような気がしますが。
わたしはなぜか、その言葉を平然をわかりました。
目の前で起こったことは、思ったよりすんなり受け入れられるようです。
でも、ここにオトナはいちゃいけません。
震えるヒザを必死にかくしながら、ボウガンをもう一度彼女に向けます。
「帰ってよ。お家は?帰る場所くらいあるでしょ?」
つめたく、言い放ちます。
兎の人は、「きょとん」といった様子で、首をかしげました。
「思い出せませんわ…!」
「え、えぇ…?」
「だれかあてになる人や学校とかは?」
「思い出せませんわ…」
「な、名前とかは…」
「それはずいぶん前になくしてしまいましたの。でも、黒兎姫と呼ばれています。」
「黒うさ…さん。」
「うーん、ここに来るまでに頭でもぶつけられたのでしょうか…」
「銃とかで撃たれたりしない限り、ここまで記憶は消えませんのに…!」
「えっ」
さ、さっき焦って撃ち抜いちゃったから…?
わたしが、この人を困らせちゃってる……?
短い人生で、わたしは初めて「立ちつくす」という言葉を解った気がしました。
◇
「えんちゃん…なんでここにオトナがいるの…?」
後ろからの声に、心臓が飛び出しそうなほど驚きます。
「つっきー…と、みんな…」
「こ、この人はなんかその……!」
しどろもどろに、でも、隠すように黒うささんの前に立ちます。
「そ、そう!行くあてがないんだって!」
なんで、わたしはここにいるんだろう。
「帰る場所がない子が、ここは自由に泊っていい!ここの「るーる」だよ!」
なんで、守るべきみんなから、まるで責められているんだろう。
「でも、オトナの人だし…」
絵本ちゃんがいたいところを突いてきます。
「お、オトナじゃないよ!」
わたしは、なにをいっているんでしょう。
でも、きっと罪ほろぼしになると、そうおもいました。
「起きたらここにいて!」
「帰り道もわかんなくなっちゃってて!」
「それに何!?この変な…着ぐるみの頭!」
「こんなダメなオトナ、いるはずないでしょ!」
「こ、こどもにボロクソいわれてますわ…」
…また傷つけてしまったかもしれませんが。
「と、ともかく!このひとは悪いひとじゃない…から!」
それから5分くらいして、なんとか説得することができました。
黒うささんが何かを思い出せるまで、わたしが監視するという名目で。
◇
数日後
「ここの生活も、だいぶ慣れてきましたわね。」
おもったよりも、黒うささんは早くなじみました。
子供たちにはちょうどいい遊び相手のようで、追いかけられたり、頭をまわされたり、古い手遊びを教えてくれたり、頭をまわされたり、本を読み聞かせたり、頭を前後反対にされたり…。
ちょっと遊ばれ過ぎでは…?
黒うささんは、もはや定位置となったハゲソファに、上品に座っています。
頭は前後反対ですが。
「それで、なにか思い出した?」
「遊んでいたら貴族であることを思い出しましたわ!」
「貴族…かぁ。このあたりだと見ないかも」
「きっとすごく遠いところ出身なのですわね。そんな気がしますわ」
まだ、監視生活は長くなりそうです。
「……それ、前は見えてるの?」
「見えてませんわ」
続く?