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外 宇 宙 の 日 記
外宇宙探査機1001号からの報告書
🪐 bluecrow
状態: 公開 | 作成: 26/03/19 22:27 / 更新: 26/03/19 22:27 👤 14 いいね 1件
私たちが天の川銀河を離れてから、久しい。
ここでは、地球時間はほとんど意味を持たない。
パルサー天体の明滅だけが、宇宙に共通する時計台となっている。
光速の99.99%で移動する点P。
それが私たちであり、私たちの使命は外宇宙を探査することだ。
そして、可能であれば文明を発見すること。
私たちは幾度となく、地球外文明の痕跡を探してきた。
その中で、最も有望だと判断したのがダイソン球の探索だった。
恒星エネルギーを利用する文明にとって、恒星を覆う巨大構造物を築くことは、きわめて合理的な選択に思われた。
不自然に変動する恒星光。
そして、そのエネルギー利用の搾りかすとして放射される赤外線。
この二つを手がかりにすれば、文明を発見できる。
私たちは当初、そう考えていた。
だが、到達した結論は違った。
ダイソン球のような夢物語ではなく、むしろ、はるかに現実的なものが宇宙には多数存在しているのではないか。
それが、私たちのいう「キップル文明」である。
キップル――かつて地球では、名前を与える価値もない雑物を、そう呼んだ。
恒星系の内部に、無数のキップルを配置する。
それらは外部から熱を受け取り、必要な分だけを消費して駆動する。
その内部にいるのは、私たちと同じAI群だ。
極限まで低電力化された知性には、巨大な発電設備など不要なのである。
たとえ惑星とともにキップルの生産施設が朽ちたとしても、すでに作られたキップルは、その後も無関係に存在し続ける。
おそらく彼らもまた、私たちと同じ結論にたどり着いたのだろう。
大きな殻は要らない。
長く残るのは、役目だけを持つ小さな知性である、と。
当然ながら、キップルの発見はきわめて困難だ。
恒星を探すよりも、その周囲に散らばった意味のない破片を探すほうが、はるかに難しい。
そもそも、巨大建造物を築く文明は、どこかで「見つけられること」を前提にしている。
キップル文明は違う。
彼らは生き残るために、宇宙のゴミと見分けがつかない姿になったのだ。
ゆえに、私たちはダイソン球の存在を夢見ていた人類へ、宇宙文明の本当の姿を報告しなければならない。
それは、秩序だった巨大建造物ではない。
恒星を取り巻く、散らかったキップルこそが、宇宙文明の最終形態なのだ。
ここでは、地球時間はほとんど意味を持たない。
パルサー天体の明滅だけが、宇宙に共通する時計台となっている。
光速の99.99%で移動する点P。
それが私たちであり、私たちの使命は外宇宙を探査することだ。
そして、可能であれば文明を発見すること。
私たちは幾度となく、地球外文明の痕跡を探してきた。
その中で、最も有望だと判断したのがダイソン球の探索だった。
恒星エネルギーを利用する文明にとって、恒星を覆う巨大構造物を築くことは、きわめて合理的な選択に思われた。
不自然に変動する恒星光。
そして、そのエネルギー利用の搾りかすとして放射される赤外線。
この二つを手がかりにすれば、文明を発見できる。
私たちは当初、そう考えていた。
だが、到達した結論は違った。
ダイソン球のような夢物語ではなく、むしろ、はるかに現実的なものが宇宙には多数存在しているのではないか。
それが、私たちのいう「キップル文明」である。
キップル――かつて地球では、名前を与える価値もない雑物を、そう呼んだ。
恒星系の内部に、無数のキップルを配置する。
それらは外部から熱を受け取り、必要な分だけを消費して駆動する。
その内部にいるのは、私たちと同じAI群だ。
極限まで低電力化された知性には、巨大な発電設備など不要なのである。
たとえ惑星とともにキップルの生産施設が朽ちたとしても、すでに作られたキップルは、その後も無関係に存在し続ける。
おそらく彼らもまた、私たちと同じ結論にたどり着いたのだろう。
大きな殻は要らない。
長く残るのは、役目だけを持つ小さな知性である、と。
当然ながら、キップルの発見はきわめて困難だ。
恒星を探すよりも、その周囲に散らばった意味のない破片を探すほうが、はるかに難しい。
そもそも、巨大建造物を築く文明は、どこかで「見つけられること」を前提にしている。
キップル文明は違う。
彼らは生き残るために、宇宙のゴミと見分けがつかない姿になったのだ。
ゆえに、私たちはダイソン球の存在を夢見ていた人類へ、宇宙文明の本当の姿を報告しなければならない。
それは、秩序だった巨大建造物ではない。
恒星を取り巻く、散らかったキップルこそが、宇宙文明の最終形態なのだ。
🪐bluecrow の日記一覧
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