──さよならを胸に抱いて。

CNo.147 Happy Go Lucky

その星では、大きな戦争が起こった。
その戦争は、星の全てを焼き付くし、全てを蝕んだ。
この星で人はもう、生きていけない。
人々は、絶滅を待つ他なかったのだ。

だが、人々は決して諦めなかった。
人々は、およそ1000人の赤ん坊を『ゆりかご』で守り、長い眠りにつかせて星が元の姿に戻ったときに目を覚ますようにした。

LEFT > Children

この星にはおよそ1000人の子どもが生きています。おとなはいませんが、そこはご心配なく。
ひとり一機、高性能なロボットが彼らの身の回りの世話をしていますから。
ロボットたちは食べ物を作るすべを知っているので、子どもたちがお腹をすかしてしまうこともありません。ロボットの作るテントで、雨風を凌ぐことだってできるのです。
子どもたちは、ロボットに守られながら、この星を探検します。彼らは、世界じゅうに散らばったお友だちを見つけ、次の世代へと命を繋ぐ使命がありますからね。

ロボットたちは、旧文明の人類から『マザー』と名付けられていましたが、子どもたちにはそれを知る由がないのでやがて誰かが『わっかさん』と呼び始め、浸透していきました。
『わっかさん』は『グランド・マザー』と名付けられたすごい機械の指示の下、探険する子供たちを守ります。
ロボットたちの役目は、この星でかつてあった大きな戦争の前のような文明を再構築することにありました。
彼らの目的は、まず世界中に散らばった子どもたちが同じ場所に集まらないと始まりません。だから、子どもたちを旅に出向かわせるのです。

LEFT > Child/Re:StRoll

戦いのない世界は平穏なのか。
戦いのない世界は理想郷なのか。
戦いの果てに残るジレンマ。戦いの果てが戦いを呼び、繰り返される。

──そこに終止符≪ピリオド≫は打たれるか。