鞭の猛攻を耐え忍び、最後まで余裕たっぷりのMP。
タラニス転換でダメ押しして、最後の大技「ウスサマ」まで準備万端。
そして彼が放ったトドメのその大技は―

全てカスった。


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「に、にーさんは…わざと外したわけじゃないんだ…そ、その…お相手さんが…すごく、避けてて…」
昨年のぽれん9の試合の映像を見せられ、オルタはあわあわと言い訳を始める。その様子を見た彼の友人であるシスルは、深くため息をついた。
「大体さあ、みんなの期待背負っておいてよ、よりによって全部外すってありえねーだろーがよ…それに、全体的に全然活躍してねーじゃんか、お前は空気か？」
「うううっ、それは…」
シスルは若干19歳の女の子。それなのに、彼女の方が自分よりしっかりしているなあとオルタは思う反面、そんな彼女に叱られてしまう自分はなんなのだと情けなく思った。
「…でもでも…にーさん初めてだったし、戦うのはそんなに得意じゃないし、ぽれんで初めて会った人には女の子って言われるし…」
「…最後のはお前が女々しいからだろ…」
「大体にーさんは三十路のおじさんだよ…パッとしないし、魔法使いと言っても強いわけじゃ…」
「…でもよ、今年もその…こーせきや？に誘われたんだろ？一緒に戦おうって…」
「そうなんだよ…魔法担当としてね…」
オルタは大きく息をつき、ガックリと肩を落とす。紅石夜の仲間は個性豊かで良い人たちばかりだった。それ故に断るのはなんだか申し訳ないと思ってしまうのだ。
頭を抱えるオルタの様子を見て、シスルはあることを提案した。
「…なあ、あたしが手伝ってやろーか？」
「え？シスルちゃんが代わりに出てくれるの？」
「ちげーよアホ！あたしが技構成とか見てやるってことだよ、あくまで戦うのはお前」
「えっ、えええっ、そんな、でも…」
「でもじゃねーよ！」
シスルはオルタの肩を掴んで言う。
「いいか、お前は自分を弱えって言ってるけど…お前はつえーんだ、自分に自信が持ててないだけ…ちゃんとポテンシャル引き出せたら、お前ならできる」
「し、シスルちゃん…」
いつも言葉はキツく態度もつっけんどんな彼女だが…オルタを思う気持ちは人一倍。そんな彼女の目に心を動かされたオルタは、こくりと頷いた。
「…わかった、にーさん、頑張るよ…今年、やってみる！」
「よし、その意気だ」
シスルは少し微笑んだ。そして1枚の紙切れを渡す。
「これ。さっき考えたお前のビルド」
「あ、ありがとう……え？」
シスルから紙切れを受け取ったオルタは少し慌てた。
「ちょ、ちょっと攻撃的過ぎない？なんというか…にーさん的には、もっとMPとかHP多くしたいんだけど…」
「甘ったれんな！！いいかオルタ、殺られる前に殺れ。殴れ。火力で捩じ伏せろ」
「…」

果たしてオルタはぽれん10で今年こそは活躍できるのか…

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2023/02/08
アニメご覧頂きありがとうございました！！

遅ばせながらYouTubeで一般公開させていただきました
楽しんでいただけると幸いです！
https://youtu.be/BVP8vpQmUkU

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〜突然のファンアート紹介コーナー〜
注:こちらにあるイラストは全て製作者様の許可を得て掲載しています。


もやし 様



しゅた 様


シダムラサキオオバッタ 様