「クレア、おい、まて。まて。そう、よしよし。
さっきおねーちゃんの店行こうとしたのは悪いと思ってんだよ。いやほんとに。悪かったって！
だからそのバラのムチしまってくれ。殴られたら痛えんだって、なぁ？
どのくらいいてぇかって言うとだnいででででで！！！！！！！！！！！いてぇよ！！！ばか！！！！！！！

ばか！！！！お前！！！わざわざ九尾鞭にしてんじゃねえ！！
なんで痛さ増やしてんだよ！！！いてぇよ！！！ちょっと鉄の味するんだけど！！！

…あん？じゃあポレン参加しろ？去年の戦いの後煽ってきたから一緒に行かせるぞってマジかよ！？
『タロット引いてくださいね、それまでにあんたが生きてたら』
やだこの弟子怖い！！！俺にだけ厳しい！！！！！！！！！！！！！でもツンデレだな！！！いいぞ！！可愛いぜクレアおごァ！？！？」(以上、ディーリの残した音声記録スフィアより)

クレア=ノル13歳、負けたことは悔しくありませんが煽ってきた師匠にだけは容赦しません。

◆もう1枚、紙切れが見つかった。
「師匠、なんで？あんたなんで？？？？？ねえ？？？？？そんな強引な勝たせ方ある？？？？ねえ？？？？？ちょっとどこからか悲鳴上がってるんですけど師匠ほんとねえ何したの」
「すまんクレア、俺もわっっっかんねぇ！！！！なんでこうなった！？？？？？？？俺もちょっと聞きたい」
ディーリ=シア25歳。さすがに無抵抗無防備無レジストで未知の術式に触る男ではありません。

魔導用品店（売り切れ分は削除）


◇安息の花飾り
クレアの魔力により咲かせた花を、ディーリが魔法具として残したもの。
着用者の好みでさまざまな香りに変化し、その人に安息や集中力をもたらす。
…ただしリラックスのためのものであるため、就寝時や休息時以外の使用は非推奨。

◇簡易封印魔法陣
どんなものでも一時的に封印、もしくは無力化させることのできる高度な封印魔法を付与させた呪符。
ただし、封じる対象の魔力量や位により、封印可能な期間は大きく異なる。
そこら辺の幽霊・平均的な実力の魔法使い・中位の魔物程度までであれば半永久的に無力化ができるものの、高位の魔物や神クラスとなると無力化できても数分、数秒…下手すればコンマ数秒ほどが関の山となる。
この呪符は主にディーリの製作。クレアは魔力の提供のみ行った。


ディーリの残した最後の紙切れ

クレアの身体は、病に蝕まれている。魔力を過剰に吸い込み、その分を放出することが出来ない。
魔法を使わなければ、数時間で死に至る。それがクレアが花を咲かせる理由であり、魔法使いとして生きることを選んだ理由でもある。

だから、どうか。もしまた俺の弟子がこの戦いの地に一人で来たのなら。
どうか…どうかクレアを、お前らの手で守ってくれ。それが、俺の願いだ。
Deeli Cia

クレアの残した最後の紙切れ

師匠、あんた本当にバカですよね。

でも、あんたもいたからこの旅団…ボクも前よりもう少しだけ強くなれた気がした。
ありがとうございました、師匠、そしてこれを見てるキミへ。

Crea　Nor