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決めセリフ:(ゴトッ…)
死にセリフ:(すぽーん!)
リージョン【日影山中倉庫】
(かばん):転生したら悪役令嬢だったの悪役令嬢転生権
(かばん):マホー少女マジカルヵヮョの壊したAIの破片
装備枠(首):ネージュとロゼの黄金駆動のボロ布
装備枠(右手):[手]もっちりしたねこのしこたまはたき
装備枠(左手):
チーム:ST
キャラクター名:いにしえのつるはし
生い立ち:とある中学校の倉庫においてあるつるはし。部活で使うテニスコートのネット貼り用のペグを地面から引き抜くために使われている。 扱うのが不特定多数の中学生であり、雑に扱われている。 しかし、何の因果か、中学生の妄想を具現化する力が備わり、何か凄い事をしたらしい。 ある世界の魔王を打ち滅ぼしたとか、隕石を粉々に破壊したとか… 今も同じ中学校でペグを地面から引き抜くために使われているが、よく頭部がハンドルからすっぽ抜けるようになった。 その都度テニス部顧問の吉田先生が直している。
JOB:暗黒剣士
技1 顧問の加護 (契約) (その他) MP6 ゾンビ属性になる
技2 一年生の憤怒 (嵐) (強化) 自最大HP-<自最大HP20%+1>分、自分以外の仲間を<パワー>化(与Dmg+4) 2ターン以上で発動可
技3 二年生の狂気 (嵐) (強化) 自最大HP-<自最大HP20%+1>分、自分以外の仲間を<パワー>化(与Dmg+4) 2ターン以上で発動可
技4 三年生の黄昏 (嵐) (強化) 自最大HP-<自最大HP20%+1>分、自分以外の仲間を<パワー>化(与Dmg+4) 2ターン以上で発動可
技5 倉庫内の虚空 (嵐) (強化) 自最大HP-<自最大HP20%+1>分、自分以外の仲間を<パワー>化(与Dmg+4) 2ターン以上で発動可
技6 灰塵の鶴嘴 (死神の鎌) (その他) MP6 相手のHP=0。そのターンで全滅させない限り、ターン終了時自分のHP=0 6ターン以上で発動可
宝箱:空っぽ (何も入っていなかった....)
ID:363 <Phase 2> (登録:2022-12-26 / 更新:2023-02-13 01:23)
作成者:aruyan 《◆キャラクター確定済み 2 》
いにしえのつるはしが残した紙切れ

※キャラ画像、gif画像、リージョン画像をtamasuka様より頂きました。ありがとうございます!

ホームセンターにある、2480円(税込)のいたって普通の道具。
だが、大いなる光の悪戯か、深淵なる闇の誘いなのか、長年雑に使われ続けている「それ」は
別の世界に飛ばされた時、役割が変質するのである。
時に「英雄を支えた武器」として。また別の時では「植物」として…
しかし、どのような役割になろうと、粉々にされようと、役割を終えて元の世界に戻った時、
頭部が抜けた状態で薄暗い倉庫にいるのである。

付喪神をご存じだろうか。100年経つと精霊を宿り、人をたぶらかすという話だ。
諸説では年数は関係なく、古くなるにつれて霊性を得るらしい。

つまり「それ」は付喪神か。答えは「ノー」だ。
元の世界に戻るといっても飛ばされた時間は瞬き程度に置換されてしまうし、
扱いも変わらぬまま、雑にペグを地面から引き抜く仕事をさせられている。

では別の世界で役割が変わる程度の扱いになる力の根源は何か。
これが分からない。
節約のために応急修理をされ、直れば生徒に雑に使われ、倉庫に戻される。
これの繰り返しで役割が覆るほどの力を持つだろうか。いや、持たない。
強いて挙げるならば、情緒が安定しない中学生たちの雑念が、ハンドルから伝わっている程度だろう。




初心者です。よろしくお願いします。




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■ある日の顧問の応急修理(顧問の加護)

「まーたつるは死してしまったかー」
倉庫で独り言を呟く吉田先生の前には頭部が抜けたつるはしが寝ていた。
テニス部の予算は殆どボールの補充に充てられる。ソフトテニス部故ボールが破裂してしまうためだ。
自腹で買い替えることは考えているが、時間が取れず、今回も応急修理で誤魔化すしかなかった。
(ガムテープ先端に巻いてハンマーで叩き込むか…?)
「よければ、手伝いますよ?」
後ろから声をかけてくれたのは技術の先生だった。
「丁度ブリキ板の端材を片付けるつもりだったので、リサイクルですよ。」
「よろしければ、お願いしたいです!」
そういいながらつるはしの頭部とハンドルを渡し、技術の先生は倉庫を後にした。
---1時間後---
「これで、余程変な力がかからなければ、大丈夫だと思います。」
そこにはブリキ板が巻かれて頭部が差し込まれたつるはしがあった。
「ありがとうございます!」
これで毎回悩む必要がなくなると思った吉田先生は礼共に歓喜の笑顔を見せた。

---数か月後---
つるはしの頭部が抜けた。片付けの悪ふざけで、ある中学2年生が「乗り物ぉ~」とか
宣いながらホッピングマシンのように乗っていた…
先生は、その生徒通信簿に事の報告と、数学の成績を下げた。
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■雑用(一年生の憤怒)
「じゃ、ペグ抜きよろしくー」
本来やるべき2年生の仕事を、当たり前のように1年生に押し付けた。
彼は困った。やったことがない仕事だからだ。
「すいません!やり方を教…」
「倉庫からつるはし持ってきて。あとは分かんだろ」
先輩は投げやり答え、その場を去った。
(なんで俺が…っ!)
燻る心の火を抱きながら倉庫に向かい、つるはしを取る。思ったより重い。面倒なので引きずることにした。
ペグを抜く。試しに地面に刺さったペグを両手で抜こうとしたが抜けなかった。ネットを固定するのだから抜けなくて当然だった。
(クソッタレが!)
つるはしを振る。グラウンドに刺さる。ペグから遠かった。
つるはしを振る。金属音が響く。ペグとぶつかってしまった。
つるはしを振る。楽しくなってきた。破壊衝動と共に心の火が燃えた。
つるはしを振る。
つるはしを振る。
つるはしを振る…
10分後、ペグは容易に抜けた。何故かそこには、彼の笑顔があった。
「てこの原理使えば割と抜けるよ」
別の仕事を終えた先生がそう言いながらつるはしを要求した。
ペグは1分かからず抜けた。世の中クソだと1年生は思った。
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■13日の金曜日(二年生の狂気)
新人大会が終わった。解体作業が終わり、あとは資材を倉庫に運ぶだけだ。
そこに1年生はいなかった。実質今大会がデビュー戦だった彼らには重要なイベントであり、
試合を通じ、今後の練習方針を決める大事な場面である。顧問との話し合いも長引くのは仕方ないことだ。
「くっそ疲れたわ~こりゃ夜寝落ちだわ~」
「映画見ながらくたばるまである」
つるはしを片付けに倉庫に向かう2年生二人。
「そういや今日の映画って例のチェーンソーとか怪物が振り回すあの…」
「そうそう!それをこの13日の金曜日にやるとかマジヤベーって」
お互い疲れていた。会話がここで止まり、2人歩く音だけが聞こえる。
そしてつるはしを持った1人が立ち止まった。
「…どうした?」体調不良か心配した。その時だった。
「「■■■■■■■■■■■-!」」
両手につるはしを持った狂人が誕生した。鬼ごっこの始まりである。
「「狂人がでたぞー!お前ら逃げろー!」」
そばにいた相棒はそう叫び、全力疾走した。他の2年生も片づけを中断して逃げ回った。
「「■■■■■■■■■■■-!」」
この世は弱肉強食の世界がある。脚の遅いやつが最初につかまる。
狂人は左手片手でつるはしを持ち、右手で被害者の肩をつかんだ。
「次はお前だぁ~。あ、10カウントで」
元・狂人はつるはしをニヤけた笑みを浮かべながら渡した。
10秒後、新たな狂人がつるはしを両手に抱えて走り出した…
---5分後---
吉田先生「2年全員グラウンド20週!」
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■祭りの後(三年生の黄昏)
「あの時力まなければなー…」
最後の大会、県大会出場の切符を取り損ねた3年生はつるはしでペグを抜いていた。
彼は後輩の片づけを俺がやるからと言って引き取った。手を動かして自らの失態を考えないようにしたかったのであろう。
大会の終わりは3年生にとって部活動の完全終了を意味する。その先は高校受験という戦争に向かわなければならない。
「あの高校行きたくねーんだよなぁ…」
彼の行き先は公立。しかも県内で割と有名な進学校だった。しかし彼は面倒が嫌いだった。距離が遠いのである。
しかし、この学校は可能な限り要求される内申に最も近い高校に行くことを強制した。本当は家から近い中堅に行きたかったのだ。
「かといって落ちて滑り止めの私立だと親父と母ちゃんに迷惑かかるよなぁ…」
ため息をつきながら、ペグは倉庫の加護に、つるはしは壁に立てかけた。一連の片づけは体が勝手に終わらせていた。
(しょうがない。やるか…)
倉庫の鍵を閉め、姿勢を正した。
「「集合!」」
戦いが終わり、新たな戦いが始まろうとしていた。
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■□(倉庫内の虚空)
道具は壁端から置かれる。必然、中央に何もない空間ができる。
ではその空間で何か起こるのか。起こるわけがない。ここは現実であり、普通の中学校の、古びた倉庫でしかない。
「何も無い」が存在するだけである。
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■事象結合結果(灰塵の鶴橋)
世界から呼ぶ力と世界に戻す力。その相殺する力に混沌を源とする力が、バニラエッセンスのように加わるとどうなるか。
答えは居合わせた者のみぞ知る。
起きた結果を「それ」は知ることが出来ない。「それ」はホームセンターで買えてしまう道具でしかないのだから…
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□役割(第38試合)
「それ」は雨でもないにもかかわらず、水浸しの姿で落ちた。意志を持っていれば恐らく、まとわりつく埃と砂に不快感を示すだろう。
誰かに手を入れてもらわなければ、道具はそのままだ。次第に大地と色が同化していく…そのまま忘れ去られるのも時間の問題だった。
―その時だった。
9つの、喧騒が聞こえ始めた。
猫のように素早いもの、蛇を使役して戦うもの、自らを賭して守るもの、己を凶器とするもの、破壊現象を顕現させるもの、鋭い刃を飛ばすもの、
命運を操るものがいた。
しかし、戦いに没頭する者たちに、保護色になりかけている道具のことなど気づかれるわけもなかった。
―それでは困る。このままだと埋もれて永遠に使われずに終わる。
道具には道具の矜持がある。どのように使われるかは二の次で自身は使われて意味があることは理解していた。
「それ」は無意識に存在感を放出した。自身を最も使役した者たちの思念をありったけ…

帰ってきたのは、運命を再編するような、意志の力だった。
思念を飛ばして相殺するしかなかった。それしかできないからだ。だが、抗いきれず、2度壊れた。
不思議なことに壊れても抗えた。道具には原理は分からなかった。とにかく拾われるために思念を送り続けた。

―やがて、喧騒は収まった。そこに目撃者がいれば、半分が残り、半分がいなくなっていることに気づくだろう。
そして何者かが気づき…縦に大きく振りかぶって投げた。頭部が抜けそうになるほど大きな力だった。
車輪のように回って飛んだ「それ」は何かに当たると同時に灰塵になり果て、次元の狭間に飲まれた…
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□絆/孤独(第63試合)
次元の狭間。「それ」が別の世界と学校の倉庫を行き来する、言わば通路のような場所だ。
灰になった道具は、元の世界に戻るため、頭部とハンドルが分かれて再構成…
されなかった。一体となって再構成されたうえ、何等かの力を流し込まれた。
明らかに帰れない。そのまま別の世界に戻された。
―つるはしが光の速さで地に落ちた。何人かは振り向いたが、無機物が落ちてきただけなので、すぐに視線を戻した。
…一触即発だった。5人と4人に分かれていた。
「それ」には、赤いオーラの5人と緑のオーラの4人に見えた。そして緑に加勢する性質を与えられていた。何らかの力とはこのことだろう。
戦が始まった。緑に思念を送るため、自らに力を加算する。直後、破壊の力が直撃し、ハンドルが粉々になったが、加算した力で元に戻せた。
すかさず、持ちうる思念を緑に伝えようとした…
―同じ力に、割り込まれた。
その力は完全同一ではなかった。しかし、本質は守るという点で一致していた。
またとないチャンスだった。ほぼ同質ならこちらに気づいて、自らを使役してくれるかもしれない。「それ」はいつもより強く思念を飛ばした。
が、しかし…
…その者のオーラは、赤かった。
無情にも思念は通り過ぎる。もし、「それ」が感情を持っていたのであれば、悲しみで溢れていただろう。
それでも思念を送り続ける。これしか出来ないから…
―一人、また一人と減った。ついには同質の者も動かなくなった。赤のオーラは1人だけとなった。
思念が通じない。
―ならば
「それ」はハンドルを爆発させた。持ちうる思念をハンドルに収束させ、不安定要素によって起こす、奥の手だった。
物理で気づいてもらう。最後の1人を倒せば振り向く。最初で最後のギャンブル…
…現実は非情であった。1人の前には幾重にも貼られた、意志の力と死の力による壁があった。
全ては破壊できなかった。そのまま灰になったので勝敗は分からなかった。
…次元の狭間。再び再構成される。今回も一体化していた。勝利はした…
だがこの感覚は知っている。新人大会で燃えない勝利と自分に語ったあの子の想いと同じだった。
…戦いに勝って、勝負に負けた…
それでも、2480円(税込)の旅は続く…
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□決意(第164試合)
―引きずられていた。
目を赤く腫らしながら大鋏をもつ者は、「それ」を運んでいた。お前は、仲間と会うための踏み台になってもらう。
怒りと、悲しみと、来るであろう試練への覚悟が触手を通して伝わっていた。
目の前には4つの赤いオーラ。そして5つの緑すら覆うほどの、1つの「赤のオーラを外郭にもつ空間」
空でもない。無でもない。
青だった。
知らない間に相手の「領域」に入ってしまっていた。
「それ」は震えた。いや、担い手たちの雑念から反応した。
―ここは危険だ。早く逃げないといけない
―遅れると全てをZEROにされる
―親に怒られる!
だが、逃げるためには、まず妨害するであろう4つの赤を止めなければいけない。
上から刺突する食料、啓蒙を集め支配する者、食料と道具に見せかけた自動人形。
しかも自動人形たちは合体により、装甲値を数倍に引き上げた。要塞といっても過言ではない。
一方、助けるべき者は、自身を運んできた者の他に、混沌より舞い戻った役者、再び見えたあらゆる物を星に変えるもの、
姉との邂逅に進み続けるものだった。
しかし、道具には個人は分からない。使う者なのか使わない者なのか。それだけだった。
「逃げないといけない」
担い手の思念を真似るように送り続ける。たとえ気づかれなかったとしても、それしか出来なかった。
その時だった。
道具は、消し炭にされた。
儀式による啓蒙の収集に成功した者による、信心の高い波動は、高熱を纏っていた。
―思念の中身を、看破されていた。
幸いなことに、触手から得た残留思念があったため、消し炭から元に戻った。運ばれていなかったら、復元は無理だった。
……
3分が経過した。
領域内が光で輝き始めた。「領域」内部の爆発の兆候が目に見えて分かるようになってきた。
繰り返し思念を送る。すると…誰かがつかんだ。だが、
バラバラに砕けた。
姉との邂逅に進み続ける彼女は腰が抜けた。驚くほかなかった。本来自らの力を他者に渡すことは問題なくできていのたから。
ただの道具に、彼女の意志の力は強すぎたのだ。
その間に役者とのコンビネーションで仲間たちが要塞を崩しつつ、1つ、退場に追い込んだ。
しかし相手も引き下がってはくれなかった。人為的に作った隕石はそのまま製作者に返す。時間を稼がれてしまった。
4分が経過して力を渡した彼女は何とか立ち上がる。いきなりつるはしが地面に現れた時はさすがに驚いていたが、それどころではない。
力が抜けるのを覚悟で仲間へ自分の闘争力を乗せる。そしてつるはしから全く同じ闘争力が自分と、仲間に渡されていることに気づいた。
第三宇宙速度で飛ばした物は今度こそ相手に直撃し「領域」を守るものを全員退ける。問題は「領域」からどうやって脱出するか。
本体だと思われる箱のボタンを押しても止まらない。物理破壊をするために各々準備をするが…
輝いていた「領域」がブラックアウトした。
ZEROの予兆。この後に来るのは荒れ狂う力の奔流。内側で爆発されてしまえばそのエネルギーは全て、こちらに来る。
賭けに出るしかなかった。
鶴嘴を掴む…最初掴んだ時よりも軽い。
腕に伝わってきたのは自分が渡した力と憤怒、狂気、悲しみと虚無の混沌。
そして自身にあるのは姉を起こすという意思…
彼女は、黒い空に鶴橋を投げた。
弾頭は「混沌」弾速は第三宇宙速度より遥かに劣る、時速41000km。
鶴橋は、「領域」全体にヒビを入れながら貫通し、ガラスを割るかのように砕いていった。
―空の色が戻る。箱も止まる。
…生き延びた。
4人はお互いの健闘を祈り、それぞれの道を進んだ。
道具は自由落下速度になるまで、空を舞い続けた…
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【断章】2学期終業式後の部活動の話

2年生A 「集合!」
残りの生徒 (駆け足で集まる)
2年生A 「本日の活動を終了します!連絡事項が先生からあります。」
吉田先生 「先週話した練習試合ですが、1月7日(土)になりました。場所は相手方の学校になりますが、
       高速で1時間かかるので、主力メンバーだけになります。ただ、当日女子部が練習するので
       自主練OKです。コートは増やしてもいいけど夏より地面硬いだろうからペグ撃つ前に、
       つるはしで土を柔らかくした方がいいね。くれぐれも怪我には気を付けて。以上です。」
2年生A 「解散っ!」
残りの生徒 「「あざっしたー!」」

つるはし本来の役割を担う事になった「それ」がどうなるか、そんな先の事はわからない。
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【断章】ある精霊術士との出会い

「それ」は空から落ちた。道具なので自ら動くとは出来ない。
ところがある日、「それ」はある邸宅の庭に連れていかれた。そして…
庭を刺した。
数秒後、「それ」は彼方に消えた。源泉の瞬間圧力が強かったようだ。
死を司る精霊の思念がハンドルに伝わったかどうかは、神のみぞ知る…
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【断章】白皮鴉達の戯れ(ネージュとロゼの黄金駆動のボロ布)
鶴橋。
鶴橋とは主に硬い地面を砕くために使う道具である。
にも拘らず、目の前にある鶴橋は大木に、横に突き刺さっていた。
二羽のアルビノ鴉は半分は警戒した。訳は分からないけど罠かもしれない。
もう半分は、好奇心だった。大木と鶴橋の存在感が共に消えかかっていることに、二羽は気づいたからだ。
試しに二羽で鶴橋を大木から剝がしてみる…ハンドルが抜けた。
お互い顔を合わせ、揃ってお手上げ状態の仕草をした。誰かが役立たずの道具に八つ当たりをしたのだろう。
星騎士は、後ろを振り返らず、投げ捨てた。ゴミに用はない。
―だが
地落ちた音は、あまりにも重かった。
振り返るとそこには壊れていない鶴橋と、穴がぽっかり空いた大木があった。しかも大木の存在感は周りの木々と同じになっていた。
…使える。
存在感を希薄にするということは、使い方次第で生物の存在を抹消できるかもしれない。
「完全犯罪の成立。」
「理の外からの自由な生殺与奪。」
「つまり毎日がカーニバル。」
星騎士は相棒にお願いした。予備の服を貸してくれないか。と
黄金駆動は喜んで差し出した。"おかあさん"が頼ってくれた。と
星騎士は鶴橋の首に服を着せた。もうこれは私たちの玩具だ。誰にも渡さないと言わんばかりの主張だった。
鶴橋を担ぐ。自分たちと同じ匂いはするけど、存在感が薄い鶴橋を。近くの小さい村に立ち寄る前の大きい収穫の道草だった。
そうだこの子で不思議な村を作りましょう。先刻まで生活感があったのに村人が1人もいない不思議な村を。
「村づくり」の話をしながら歩いていたら、入り口が見えた。星騎士は早速着手するために両手に鶴嘴を…
…持てない。いない。数秒前まで担いでいたはずだ。相棒も見ていた。
周囲のにおいをかぐ。相棒と同じ甘い匂いがするはずだが、しなかった。遠いところに行ってしまった。
相棒は星騎士の顔を覗き込んだ。ちょっと渋い顔をしていた。
面倒は嫌いだ。だが印も付けたしいつかは見つかるだろう。
二羽は横に並んで、村に入っていった。
―その夜
村では宴が催された。二羽が主催の、今までで一番活気のある宴だった。
星騎士は踊り狂った。付き合わされた村人は意識がなくなっても尚、踊りに付き合わされた。
黄金駆動は、村人たちとおにごっこを興じた。
自分がずっと鬼になる代わりに、捕まった人はあとでご馳走を振る舞うルールで遊んだ。
たまに村人の取り合いにもなったが、楽しかったので気にもならなかった。
―夜が明けた。
二羽は満面の笑顔で村を後にした。
村からは鶴橋と同じ、土と鉄と甘いミルクのにおいがした。
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