『上天へ接続。』

―――機構「記憶」へのアクセス権を確認、認証コードを受理しました。
　御機嫌よう、 / 第一記録個体 / 。ご用件は？

『……codeABELより、要求、記録個体の演算出力。』

【玉壱式】：codeABEL
　＞要求を確認。理由を述べられたし。

『……呼ばれた気がしたから？』

【玉ℵ式】：玉A式
　＞過去の ERROR 記録を確認した。
　　＞修正はされたものだが、遺憾の残る修正録。ℵはさらなる改修を求む。

【玉A式】：codeABEL
　＞承認する。
　　＞記憶機構　演算開始

記憶機構：演算開始
　目標設定「最善」、対象領域「グ・エディン・ナ」を指定、指定領域記録個体リスト展開、現在の空きリソース概算*****%
　個体最大出力**%の算出が可能。―――最上位権限により、最大出力設定されました。
　―――解答、「更改」。現在の個体リストより、 / codeNOAH / が最善とされます。

【玉A式】：機構
　＞確定。演算出力開始。出力座標、codeABELより転送済み。

記憶機構：最上位権限による確定・決定を確認。出力先を座標固定しました。

　演算出力開始―――　"之より記憶は「更改」します。"
　全てを慈雨に晒し、その航海/後悔を受け入れろ。

　「ノア」は総てを理解している。

　さあ、最善を。

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「―――codeNOAH、現刻を持って参上致し……いない。出力先はアベル様の御許だったのでは？はて。……少なくとも御身がいた形跡はある。
　……代役かそうか。理解しました。ノアは御身の代役として、今、星光を見上げます。どうか最善の旅の導きを。
　それはそれとして、せめて一言ぐらいはお言葉による指示が合ってもよろしいと思うのですが、それはわたくしの我儘となるのですか？」

海図を広げた。古ぼけたスクロールに映し出される光。ただそれに従って、舟を―――慈雨を越えるための力を受け止めるだけだ。