チーム:ST
キャラクター名:Folfiri
生い立ち:「――私と一緒に行こう。あの星が向かった先よりも、もっと、ずっと遠くへ」あの日見た"赫い星"を追って、合成実験体はこの戦場へと舞い戻る。昨年交わした、唯一無二の友である異教の巫女と並び立つ約束を果たすために。
JOB:猫
技1 チェンジング (その他) MP3 敵の一番HPが高い相手のHPと、自分のHPを交換する
技2 チェンジング (その他) MP3 敵の一番HPが高い相手のHPと、自分のHPを交換する
技3 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技4 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技5 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技6 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技2 チェンジング (その他) MP3 敵の一番HPが高い相手のHPと、自分のHPを交換する
技3 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技4 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技5 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
技6 鞭 (物理) MP1 命中60 範囲1~2 相手のMPを2削る
宝箱:空っぽ (何も入っていなかった....)
ID:713 <Phase 4> (登録:2021-12-26 / 更新:2022-11-23 14:47)
作成者:strayalice37 《◆キャラクター確定済み 4 》
Folfiriが残した紙切れ
「やっぱり、悔しいな。
こんなに離れ離れになってしまって。
これじゃあ、まるで、夜明けのようじゃないか」
こんなことを言っている今も、魔蝕樹による躰の修復が始まろうとしている。
「みんな、どこにいったの?」
*
――西暦2019年 ぽれん7
「なァ、フォルフィリ。
“ホワイトフレイヤーズ”って知ってるか?」
私は首を横に振った。
私とて兵器のようなものだ。戦い以外のことなど知るわけもなく。
飄々とした口調の誰かは続ける。
今の私には、彼が何者であるか、はたまたどんな声であるのか、何故私のことをここまで気にかけてくれていたのかは思い出せない。
「異教徒の皮を剥いで神に捧げるとか。それで高位の神官どもは信者から金を巻き上げて権力闘争をしてるんだとよ。それで国一つ滅んでるんだから、やべーもんだ」
「……それで、どうして私にそんな話をしたのか?」
「……あんたも似たようなもんだろ。あんたは被害者だけどよ。
物心つく前から”魔蝕樹”植えられて、晴れて兵器の仲間入りだ。信者を薬漬けにして異教徒に特攻させてる連中と何も変わっちゃいねぇさ」
「……それが普通だと思ってた」
かわいそうだとか、残酷だとか、そんな感情は当時の私にはなく。
“ホワイトフレイヤーズ”の話を聞けば、彼らと戦闘になったときの計略ばかりが頭に浮かぶ。
「そういうわけで、この■■■■が脱走を手伝ったってワケだ。
あんたはちゃんと人間として生きろ。この■が生き方くらい教えてやるよ」
そうして、その人物は……行方をくらませた。
――『灼熱舞踏領域』に行け。そこなら、あんたを導いてくれる奴の一人や二人いるだろうさ
その一言を、遺して。
*
――西暦2020年 ぽれん8
ホワイトフレイヤーズの巫女と出会ったのは、"誰か"が教えてくれた『灼熱舞踏領域』だった。
最初に出会ったときは「恐ろしい」と思った。"誰か"が話してくれた通りの存在だと。
回転ノコギリに搭乗して敵陣に突っ込む姿が、ひどく印象的だった。
彼女と並び立つためには、魔蝕樹の力を最大限にまで引き出さなければ。
こんなところで私が後れを取るわけにはいかない。これから"誰か"に再会しようというのに、無様な姿を晒すわけにはいかない。
ふと、並び立ったときに横を見た。
彼女は、泣いていた。
どうして、涙を流すことができるのだろう。
その理由が知りたくて。
私は彼女を追って、気がついたら、戦いの果てへと手を伸ばそうとしていた。
この景色を見るなら、共に。
気がつけば私はそんなことを考えていた。
「どうか、最後まで、私についてきてほしい」
私は、魔蝕樹に侵された手を、彼女に差し伸べた――
*
――西暦2021年 ぽれん9
彼女と交わした、並び立つ約束を果たすために、私はここに立っている。
そのはずだったのに。
「添い遂げるなら5人でって決めてたのに、どうして、君と2人だけで、こんなところに来てしまったんだろうな」
強敵を前にしても、諦める気はさらさらなかった。
ジャスティスの刻印を使ってでも、ゴーストコードを使ってでも。
敵を討ち倒して、また、5人で――
「意地っ張りだね、君も、私も。
こんな無様、あの子に見せたくないよ、私だって。
いいよ、だから一緒に居てあげる」
消えゆく混沌の想いを、彼女の親友に届けてあげることすらできないなんて。
こんな些細な意地っ張りで、添い遂げると決めた咒りの巫女を、ここに集まってくれた戦友達を置いていくなんて。
私は、リーダー失格だ。
でも、なんでだろうな。私は消えゆく混沌と笑い合っている。
こんなにも痛くて、苦しくて、やるせない筈なのに。
「嗚呼、君の歌を、もっと聴きたかったな。
君を置いていってしまう私を、赦さなくていい。だから、どうか、私のぶんまで――」
私には届かなかった、この戦いの果ての……もっと、その先へ。
「――大好きだよ」
星はひとつ、またひとつと消える。
禍々しいまでに、赫い朝焼けが、空を覆っていた。
*
【???】
『被験体F-441か。ああ、失望したよ。あいつは用済みだ。
ロウストーンを見限ったと思えば、兵器の分際で戦場で無様を晒した。
もはやアレに価値などない』
『このまま廃棄処分にしますか?』
『もはや廃棄する価値もなくなった。人の生き方まではアレには分かるまい。そのうち野垂れ死ぬさ』
*
「……私達、頑張ったよね」
「ね、Folfiri」
――魔蝕樹から、枯葉が落ちた。
*
illustration by karakaru
こんなに離れ離れになってしまって。
これじゃあ、まるで、夜明けのようじゃないか」
こんなことを言っている今も、魔蝕樹による躰の修復が始まろうとしている。
「みんな、どこにいったの?」
*
――西暦2019年 ぽれん7
「なァ、フォルフィリ。
“ホワイトフレイヤーズ”って知ってるか?」
私は首を横に振った。
私とて兵器のようなものだ。戦い以外のことなど知るわけもなく。
飄々とした口調の誰かは続ける。
今の私には、彼が何者であるか、はたまたどんな声であるのか、何故私のことをここまで気にかけてくれていたのかは思い出せない。
「異教徒の皮を剥いで神に捧げるとか。それで高位の神官どもは信者から金を巻き上げて権力闘争をしてるんだとよ。それで国一つ滅んでるんだから、やべーもんだ」
「……それで、どうして私にそんな話をしたのか?」
「……あんたも似たようなもんだろ。あんたは被害者だけどよ。
物心つく前から”魔蝕樹”植えられて、晴れて兵器の仲間入りだ。信者を薬漬けにして異教徒に特攻させてる連中と何も変わっちゃいねぇさ」
「……それが普通だと思ってた」
かわいそうだとか、残酷だとか、そんな感情は当時の私にはなく。
“ホワイトフレイヤーズ”の話を聞けば、彼らと戦闘になったときの計略ばかりが頭に浮かぶ。
「そういうわけで、この■■■■が脱走を手伝ったってワケだ。
あんたはちゃんと人間として生きろ。この■が生き方くらい教えてやるよ」
そうして、その人物は……行方をくらませた。
――『灼熱舞踏領域』に行け。そこなら、あんたを導いてくれる奴の一人や二人いるだろうさ
その一言を、遺して。
*
――西暦2020年 ぽれん8
ホワイトフレイヤーズの巫女と出会ったのは、"誰か"が教えてくれた『灼熱舞踏領域』だった。
最初に出会ったときは「恐ろしい」と思った。"誰か"が話してくれた通りの存在だと。
回転ノコギリに搭乗して敵陣に突っ込む姿が、ひどく印象的だった。
彼女と並び立つためには、魔蝕樹の力を最大限にまで引き出さなければ。
こんなところで私が後れを取るわけにはいかない。これから"誰か"に再会しようというのに、無様な姿を晒すわけにはいかない。
ふと、並び立ったときに横を見た。
彼女は、泣いていた。
どうして、涙を流すことができるのだろう。
その理由が知りたくて。
私は彼女を追って、気がついたら、戦いの果てへと手を伸ばそうとしていた。
この景色を見るなら、共に。
気がつけば私はそんなことを考えていた。
「どうか、最後まで、私についてきてほしい」
私は、魔蝕樹に侵された手を、彼女に差し伸べた――
*
――西暦2021年 ぽれん9
彼女と交わした、並び立つ約束を果たすために、私はここに立っている。
そのはずだったのに。
「添い遂げるなら5人でって決めてたのに、どうして、君と2人だけで、こんなところに来てしまったんだろうな」
強敵を前にしても、諦める気はさらさらなかった。
ジャスティスの刻印を使ってでも、ゴーストコードを使ってでも。
敵を討ち倒して、また、5人で――
「意地っ張りだね、君も、私も。
こんな無様、あの子に見せたくないよ、私だって。
いいよ、だから一緒に居てあげる」
消えゆく混沌の想いを、彼女の親友に届けてあげることすらできないなんて。
こんな些細な意地っ張りで、添い遂げると決めた咒りの巫女を、ここに集まってくれた戦友達を置いていくなんて。
私は、リーダー失格だ。
でも、なんでだろうな。私は消えゆく混沌と笑い合っている。
こんなにも痛くて、苦しくて、やるせない筈なのに。
「嗚呼、君の歌を、もっと聴きたかったな。
君を置いていってしまう私を、赦さなくていい。だから、どうか、私のぶんまで――」
私には届かなかった、この戦いの果ての……もっと、その先へ。
「――大好きだよ」
星はひとつ、またひとつと消える。
禍々しいまでに、赫い朝焼けが、空を覆っていた。
*
【???】
『被験体F-441か。ああ、失望したよ。あいつは用済みだ。
ロウストーンを見限ったと思えば、兵器の分際で戦場で無様を晒した。
もはやアレに価値などない』
『このまま廃棄処分にしますか?』
『もはや廃棄する価値もなくなった。人の生き方まではアレには分かるまい。そのうち野垂れ死ぬさ』
*
「……私達、頑張ったよね」
「ね、Folfiri」
――魔蝕樹から、枯葉が落ちた。
*
illustration by karakaru