果てへ、果てへ。あの子がいるかもしれないその場所へ。最初に願ったことはたったそれだけ。
他の誰でもない、これは僕が僕の渇きを満たすために始めた、僕のための戦いだった。

けれど、一人だけで始めたはずの戦いは、気づけばたくさんの想いや願いに満たされていた。
僕の呼び声に応じてくれた人たちの願い。偶然出会って共闘した人たちの願い。
僕があの子に会うためだけに始めた果てへの旅は、気づいたら誰かの果てを目指す旅になっていた。

僕は本来、善人とは言えない人間で。果てを目指す旅も自分自身のために始めた人間で。
誰かの果てを目指すだなんて、僕らしくないんだけれど――なんだか悪い気はしないのだから、ここで出会う戦士たちは本当に不思議な人たちだ。
ごろりと地面に寝そべって空を見上げる。どこまでも青い空は、まるではじめてあの子に助けてもらったときのようだ。

「楽しかったなぁ、本当に」

――けれど、あの子がいない。僕の渇きはまだ満たされない。
僕の心は、まだどうしようもないほどに飢えている。

「……歩くよ、僕は。何度でも」

だから待っていてほしい、彼岸花の似合う君。
どれだけ時間がかかっても、僕は必ず君が目指す場所と同じ景色を見に行くよ。
『諦め』の二文字は僕の心にはなく、『情熱』も消えることはない。
僕が『思うはあなた一人』――『また会う日を楽しみに』、どうか待っていてくれたら嬉しいな。

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「おかえり、クトリ」
「ただいま、ミトリ」

「……その様子だと、今年も駄目だった？」
「うん。でも、とても良い経験ができたよ。果てに近い景色も見れた」
「そう。結果は残念だけど、クトリがちょっとでも満足できたのならいいんじゃないかな」

「あの大会、また次も開催されるかな。ミトリ」
「さあ。僕にはわからないな、クトリ」
「……でも、もし開催されたら次こそ連れて帰ってきてね。僕も一度会ってみたいんだから」
「もちろん。そのときまで、ちゃんと生きないとね」

彼岸花へ集ってくれた数多の魂と果てに至る旅路の中で出会った人々に深い感謝を心の中で口にして、少年は一人笑う。
――あの子と出会うまで、彼の果てへと至るための旅はきっと終わらない。

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◇ 裁ち鋏
クトリが武器として振り回している大鋏と同じデザインをした通常サイズの裁ち鋏。
切れ味バツグンで非常によく切れるし、こっちも武器として使えるかもしれない。

◆ 幽霊花のピアス
赤い彼岸花のピアス。装着しやすいシンプルなデザイン。
ドロップ型に加工された小粒な深紅の石もあしらわれており、動くたびにゆらゆら揺れる。

◇ なりきりコート
クトリが身につけているロングコートとお揃いのデザインをした黒いコート。
元はどこかの部隊の隊服だったらしいが、今ではすっかり私服のような扱いになっている。

◆ コスメセット
クトリがオススメするコスメの中から、希望のものを選んでセットにしてくれる。
肌に合いそうか合わなさそうか確認しながら選んでセットにしてくれるので安心。
化粧水とか乳液とかクリームとか、そういうスキンケア用品もつけてくれる。

◇ 彼岸花のブーケ
赤、白、黄色、三色の彼岸花を使って作られた大きめのブーケ。
『再会』『情熱』『転生』――さまざまな花言葉が記されたカードが一緒に添えられている。

◆ 反魂草の根付
正式には根付風ストラップ。
さまざまな色のストラップ紐に、反魂草とさまざまな形のチャームをつけて作られたストラップ。
数種類作られており、好きなものを一つ選ぶことができる。

◇ 複製反魂術式
駆空家に代々伝えられてきた死霊術を、さらにクトリが双子の片割れとともに改良して作り上げた死霊術式について綴られた書類……の複製。
ただし、かなりわかりにくいので解読するにはかなりの時間がかかりそうな書類になってしまっている。

◆ 反魂香
クトリがいつも持っている、特製の反魂香。
焚けば死者の魂をこの世に呼び戻すといわれているお香を改良したもので、死霊術による蘇生と近い効果を得られる。
しかし、定期的に焚かないと効果が途切れてしまうので使い方には注意が必要。
「反魂術式の複製を出したから、こっちも記念に出していいかもなーって思えてさ。買うなら専用の香炉もセットにするよ。
ただし、使い方には癖があるし、下手したら禁術指定をくらいそうな代物だからそこには気をつけてね？」