01

またこの世界に辿り着いてしまったらしい。
此処にはなぜか『引き寄せ』られる、私でも抗えぬ何かが、この世界にはあるのだ。
この世界ではなぜか姿を切り替える事が出来ないらしい、帰るまではこの姿のままか。
だが、悪くない、今年もきっと楽しめるだろう、それでいいのだ。

02

この世界での戦いは、一筋縄ではいかない、皆同じ土俵の上で戦っている。
私だけが好き勝手暴れては興も醒めてしまうだろう、故に、私もまた、同じ立場で戦うのだ。
力に制限を掛けて戦うのは、良い、普段では気にせぬ事も気にする必要があるし、何よりも戦いの中で自らの成長を実感できる。
今回は、勝った、相手も強者揃いだった、仲間にも、相手にも、最大限の敬意と感謝を、忘れない。

03

この吹き矢は《ファーブラ》と言う、狙撃用に使えて、とても長く、私の鱗と同じ素材で出来ているから破壊も出来ず、それでいて極めて軽い。
いざという時には本体に刃が付いているから、振り回して相手を切り刻む事も出来る。
が、生憎今回は出番が無さそうだ、この世界では出している物を亜空間にしまい込む事すら出来ないから持ち歩いているに過ぎない。
次に戦う相手は誰だろうか、私の魔法を見てくれるだろうか、楽しんでくれるだろうか、それだけが、気掛かりだ。